エンジニアリングプラスチック
ポリカーボネート(PC)
- 特性
- ビスフェノールAとホスゲン又はジフェニルカーボネートを反応させ合成します。アクリルに次ぐ透明性を持ち光沢性も良好です。抜群の耐衝撃性を有し、クリープ特性、耐熱性、機械強度、耐候性に優れています。
ソルベントクラック、ストレスクラックを起こしやすく、疲労特性、耐摩擦性、耐摩耗性は劣ります。
- 用途
- 家電部品、電子部品、照明器具、防音壁、ヘルメット、フィルム、工具外装、防具、玩具、透析ケース
ポリアミド(PA) 別名:ナイロン
- 特性
- 主鎖はアミド結合の連続で形成され、カプロラクタムから合成されるナイロン6とヘキサメチレンジアミンとアジピン酸から合成されるナイロン66が有名です。基本的には結晶性樹脂に分類されますが、中には非晶性(共重合)ナイロン(透明ナイロン)も存在します。物理特性はモノマーの結合、構成に由来し、短鎖から長鎖ナイロンが存在します。
耐熱性が高い、摺動性能の高いナイロン、PA11/12/1010のように長鎖であり、吸水率が低く柔軟性に優れるものやナイロンはその機能特性と多様性から使用用途も幅広いです。
- 用途
- 自動車部品、ギア、コネクター、電気部品、玩具、スポーツ・レジャー用品、フィルム
ポリアセタール(POM)
- 特性
- ホルムアルデヒドをアニオン重合し、末端をエステル化処理します。少量のエチレンオキサイドを加えたコポリマーもあります。自己潤滑性を有し、摩擦、摩耗性性、耐熱性、耐水性に優れます。結晶性のため成型収縮率が高いです。ガラス転移温度が-60℃のため、常温ではゴム状態でありクリープが発生しやすいです。
- 用途
- AV機器の駆動部部品、ギア、ハンドル、自動車部品、バルブ、モータ部品、家電部品
ポリエチレンテレフタレート(PET)
- 特性
- テレフタル酸とエチレングリコールから合成され、結晶性で熱と光に対して安定で、透明性、耐水性、耐薬品性に優れています。充填剤(ガラスなど)で強化して使用することが多いです。ペットボトルが有名ですがフィルム等にも多く採用されています。
- 用途
- フィルム、繊維、ボトル、磁気テープ、包装容器
ポリブチレンテレフタレート(PBT)
- 特性
- テレフタル酸とブタンジオールから生成されます。ガスバリア性に優れ、2軸延伸するとさらに性能が向上します。ガラス繊維を充填すると耐摩擦性が向上し、強靭となります。ガラス転移温度が40~60℃であるため、通常温度ではゴム状になります。結晶性樹脂の中では耐候性が比較的良好で、絶縁性にも優れます。
- 用途
- 電気部品、自動車部品、モーターカバー、ボビン、ソケット、スイッチ
変性ポリフェニレンエーテル(m-PPE)
- 特性
- ポリフェニレンエーテルにポリスチレン(PS系)をブレンドしたものであり、ブレンド比により耐熱性が異なります。PA系やPP系もあり、難燃性、耐油性、耐摩耗性、寸法安定性に優れています。汎用エンプラの中では耐熱水性が良く、吸水率が小さいため水中での使用に適しています。荷重たわみ温度はブレンド比率により75~170℃まで変化させることができますが、耐候性はあまり良くありません。
- 用途
- 水中ポンプ、加湿器、エアコンなど家電、複写機、プリンターの外装、外板部品、各種部品